新奇な保健体育-リベンジ-



平日のある日、大五郎が仕事から帰って来ると部屋の中でたかしと姉が遊んでいた。

「あ、パパおかえり」
たかしは大五郎を見るや否や飛びついて来た。ひとしきり抱きしめたあと、頭を撫でてやると嬉しそうに笑顔を見せた。
大五郎は小さい体を抱き上げて高い高いをすると、たかしは凄く喜んだ。

「夜ご飯食べさせたし、たかしを寝かしつけたら私は帰るわ」
「ああ、ありがとう」

「もう帰っちゃうの?」
タカシが寂しそうにしていると姉は笑って言った。
「ほらほらー明日は早いぞー?良い子は布団に入って寝る」
「いやだ、パパともう少し遊ぶの」

大五郎は食事も取らずに、たかしの遊び相手をしてやった。
今は遊び疲れたのか、布団の中でグッスリ寝ている。

「最近疲れてない?大丈夫?」
「心配するな、タフネスには自信があるからな」
疲れた表情の大五郎に、それ以上は追求しなかった。
「わかった。たまには週末に遊びに連れていってあげてね。黙ってるけど相当寂しがってるよ」
「もう少しの辛抱だ。それが終われば週末も余裕ができる」

あと500万借金を返し終えれば地下プロレスをやめて普通の生活に戻れる。大五郎は週末になると再び地下に潜るのだった。

大五郎が控え室で試合の準備をしていると石井が入ってきた。

「準備はいいか?」
「ああ」
靴とプロテクター、それにいつもの黒いプロレスパンツに身を包み、大五郎は軽く跳ねた。どうも前回の試合よりもパンツの生地が薄くなったように感じるしサイドも短くなり股間に張り付くような生地で膨らみが目立った。レスリングタイツと言うよりはインナーに近い気もする。

どうせ変態客が望んでるのだろう。石井に尋ねることもせずに彼はリングに向かった。

リングに上がると、いつも通りの下品な客達が彼を卑猥な目で見てきて反吐がでる。もちろんその中には渡部もいた。
怪しげな仮面を着けて、椅子にふんぞり返っている。

大五郎は目線を逸らし、気持ちを切り替えて対戦相手を待つ事にした。試合にさえ集中すれば、他の事は気にならなくなる。
大五郎の相手は大抵はラフファイトを仕掛けてくる。指示されているのは、その相手に対して、あくまで正攻法で戦うことだけだ。
その際に観客が盛り上がれば報酬も弾む。

前回は急所攻撃を連続でされて負けてしまったが、今日は勝つつもりで来た。
渡部の思い通りにはさせない。今回は急所攻撃をされても、足掻いてやる。

客席の照明が落とされると同時に対戦相手が現れた。

「なんだ?」
現れたのは2人のマスクマン。片方は180cmの大五郎よりも身長が高く、ぶ厚い脂肪に包まれた巨漢で、もう1人の方は小柄で肩にタトゥーをつけているチビ男だった。

大五郎は観客席を見たが、誰も答えを教えてくれなかった。今回の対戦相手は2人か?
スピードタイプとパワータイプと同時に戦うのか。大五郎は少し戸惑うが、気持ちを切り替えてファイティングポーズを取った。両者がリングに上がれば即試合開始だ。

デブの方はのそのそとリングに上がり、そしてロープを跨がずにチビを持ち上げてリング内に放り込んだ。
なるほど、まずはチビ男が相手か。

かかってこい。そう思った時にはチビは動いていた。
素早くリングを駆け回り大五郎はジッと目で追う。
そして唐突にチビ男は大五郎に進路を変えた。

「おぅ!?」
大五郎が構えると、彼の一歩前で姿が消え、横腹に衝撃を受けた。

直後に背中にも衝撃が来て、大五郎は倒れそうになるのを堪え、ヨロヨロとロープを摑む。
彼が振り返った時にはチビ男は反対側のリングにいた。

「ちっ、ちょこまかと」
反撃に向かおうと大五郎が動いた瞬間、彼はロープの向こう側から首を絞められた。

「ぐぉ?」
熊のような毛深くて太い腕が彼の首をギリギリと締め付ける。

そういうことか…
はなから2対1の試合だった。

大五郎はリング外の巨漢の腕を掴んで引き剥がそうとするが、予想以上のパワーでビクともしない。
その間にチビ男が彼の前にやってきて、奇声をあげながら大五郎の腹筋を殴りつける。

「キャッキャ」
「ぐっぉ!!ぐぉっ!!」
彼が腹筋に力を入れると、今度は大五郎の大きく盛り上がった胸にチョップを打ち込んできた。
大五郎の胸がみるみる赤くなっていく。
彼はチョップを食らいながらも、急所攻撃を警戒していた。脚を閉じて太ももを摺り寄せる事によって、下から急所を打てないようにしていた。1発でもやられれば、勝利の可能性が低くなってしまう。

しかし首を絞められながら攻撃を食らうと、徐々に脚に力が入らなくなってくる。そこを相手は付いてきた。
緩んだ腹を殴られた瞬間、大五郎は下半身を一瞬緩めてしまった。

それを狙ったかのようにチビは握り拳に親指を立てて、急所の膨らみを下から突き上げた。

「ぐぉぉぉぉ!!」
鋭い指先が、繊細な男の急所に突き刺さった。睾丸の中がスパークするような衝撃で激痛が走る。

大五郎は脚を暴れさせて巨漢に首を絞められたまま、チビを蹴り飛ばした。チビをリングの反対側まで吹っ飛ばす。

大五郎は息のできない苦しみと、急所の痛みに苦しめられた。
内臓をえぐる鈍痛が吹き上げてくる。

「へへへ、タマキンイテェだろう。今のは単なる挨拶だ。楽しもうぜ」
耳元で巨漢は言う。大五郎はこのままやられるつもりはなかった。急所の痛みに耐えながら、肘を後ろの巨漢に食らわせた。首締めが緩んだ隙に、するりと抜けだす。

2対1の勝負だが、こいつらはラフファイトをしてきた。とするならば、一対一の状況に持ち込んで、ラフファイトを警戒しながら戦うしかない。

大五郎は間髪入れずに、巨漢に向けて飛びかかる。ロープ越しにエルボーを食らわせて、場外に落とすと、すぐさまチビ男の方に振り返った。
背後では落ちてよろめいた巨漢が鉄柵にぶつかった大きな音と、観客の慌てふためく声が聞こえた。

巨漢の足止めには足りないが、今の内にチビ男をやるしかない。相手と向かい合うと、急所攻撃を警戒しながら、素早い動きを避けた。

モーションの大きい攻撃をするとチビ男に避けられて反撃される。そう思い、大五郎は素早い動きを封じようとした。

だが、闇雲に捕まえようとしても、攻撃されるだけで直ぐに逃げられる。
しばらくチビ男との攻防で腹や背中を打たれながら大五郎は動きを先読みした。

素早い動きを見極め、後ろからチビ男を持ち上げる。
そして、バックキックをされる前に素早く後方へ投げた。

体重の軽いチビ男は思った以上に吹っ飛び、ロープの方へとチビ男は転がって行く。
そして大五郎は追い討ちをかけるべく向かうと、ロープに絡まる相手の腕を掴んだ。

無理やり立たせてコーナーへ振ると、チビ男はコーナーの硬い鉄にぶつかった。
そして大五郎は背中全体を使って、鉄柱に押し潰した。

「ギャッ!!」
首のあたりを強打し、チビ男は床に顔面から倒れこんだ

客たちはプロレスとしてのショーも楽しんでいるのか、彼と相手の攻防を見て盛り上がっている。その流れに気を良くした大五郎は派手にとどめを刺そうと、大技を決めることにした。

大五郎はリング中央でチビ男を仰向けに寝かせると、コーナーへ登る。派手な空中技で客たちを驚かせようという魂胆だ。
しかし、その機会をマスクマンたちが逃すはずがなかった。

大五郎が鉄柱の上で手を離した瞬間を狙ってきた。
鉄柱の影に隠れて、後ろで待ち構えていた巨漢に、大五郎は気がつけなかった。

巨漢に片脚を掴まれると、股を広げるように横に引っ張られた。
バランスの悪い足場で、大五郎の両脚は、いともたやすく外れてしまい、100kgもの身体が垂直に落下する。

足場をなくした大五郎の身体は、着地点を求めて、股間から真下の鉄柱に落ちた。

ゴッ!!という鈍い音とともに大五郎の金玉は鉄柱と自分の身体に挟まれてひしゃげた。

「うぉっ、ぉ、ぉ…」
大五郎は顔をしかめて、むっちりとしたガタイを縮こませる。腹の底からくる鈍痛が絶え間無く襲い、どうしようもなく苦しくなる。
胃液が逆流し、喉の奥から焼けるような苦いものがこみ上げてきた。
タマが痛い、息が出来ずに苦しい。背中を丸めるだけで、鉄柱から降りることも出来ない。

マスクマン達にしてやられた大五郎の情けない姿に客達は喜んだ。
金玉を強打し、ゴツいガタイを丸めて股間を押さえる姿にガラの悪い客はヤジを飛ばす。
「いいぞデブ!!もっとタマ痛めつけろ!!」

くそっ、このままじゃまた金的でやられる。
大五郎はそう思って焦るが、鉄柱を降りようと脚を動かすだけで金玉が当たって内臓を抉るような痛みが走る。

彼が身動きできないでいる間に、マスクマンたちはチビ男から巨漢へとバトンタッチをしていた。
鉄柱の上にいる大五郎の身体が持ち上がり、抱え上げられた状態でリング中央に運ばれたかと思うと、背中から勢いよく床に叩きつけられた。

バシン!!
「グハッ!!」
ただ落とされただけでなく、巨漢が力任せに叩きつけられたせいで、肩と背中に猛烈な激痛が走る。
大五郎は金玉の痛みと背中の痛みで、股間と背中を抑えながらリング上を転がった。

そして挑発のつもりなのか、巨漢は追い討ちをせずに大五郎が立ち上がるのを待った。

なめやがって…
大五郎の中でふつふつと怒りが増して来る。こいつらは二人掛かりで一斉に攻撃するわけでもなく、大五郎を弄んでいる。
マスクの下では大五郎のやられ姿に笑いを浮かべているに違いない。

大五郎は気力を振り絞って立ち上がると、巨漢の胸に平手打ちをみまった。
肉を打つ音とともに、脂肪で包まれた胸が波打った。
もう1発。"パシンっ!!"

巨漢は怯むことなく、あえて平手打ちを受け続ける。ムキになった大五郎は何発も打ち続けた。
それでも怯まないのを見て、大五郎は身体を反転してロープへ飛んだ。

ロープの反動を利用して、巨漢にラリアットを食らわせた。
強烈な衝撃に、今までは平然としていた巨漢が空中で回転して背中から倒れ込んだ。そして、その衝撃でリングが激しく揺れ動いた。

「うぉぉぉぉ!!!!」
大五郎の雄叫びが部屋に響き渡る。

ここから大五郎の攻撃が続いた。巨漢の股の間に片手を入れると、130kgの身体を抱え上げた。
大五郎の大胸筋が盛り上がる。
ボディスラムを決め、巨漢をマットに叩きつけると、肘鉄を胸に打ち込んだ。
巨漢のマスクの下から悲鳴の声が漏れる。

大五郎は今度こそとばかりにトップロープに登ると、巨漢めがけて飛んだ。
大五郎の100kg身体が巨漢を叩きつけた。そのままフォールに持っていって、自らカウントを取った。
しかしカウント2にも満たない間に跳ね返された。

ただのデブじゃない、タフネスな野郎だ。
観客が見守る中、2人の男は汗をほとばしり戦った。鍛え上げた筋肉が躍動する。
プロレスパンツがケツに食い込んでも大五郎は気にしなかった。それほどに試合に集中していた。

大五郎は巨漢を立たせると、相手の腕を肩に回し片脚をクラッチして、大きく投げた。アナコンダ•スープレックスと呼ばれるこの投げ技は、上半身が不安定になる事で受身が取りづらい。

巨体がリングに叩きつけられて、リングが大きく揺れ動いた。

「ぐっっ!!」
マスクの下から低い声が漏れる。大五郎はさらに追い討ちをかけようと巨漢を立ち上がらせようとした時、大五郎は股を開けて股間を無防備にしてしまった。

その一瞬のうちに、股間を真正面からカチ上げられた。
力任せのカチ上げに大五郎の身体は浮き上がった。

「うぉっ!!」
すぐさま巨漢から手を離し、リング上を派手に転げ回る。
急所の痛みはたまらない。少しの衝撃でも耐えられないほどに痛んだ。

観客は悶絶姿を待ち望んでいたのだが、大五郎は両脚をバタつかせて股間を押さえるしかない。
しかも、巨漢は更に追い討ちをかけるべく、大五郎の両脚を掴み上げた。

やる事は分かっている。しかし大五郎にら逃れるすべはなかった。

吸い込まれるように、巨漢の膝が大五郎の股に入った。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ…………………たま…………」

大五郎は身体を跳ね上がらせた。そして顔をしかめて股間を押さえて悶絶した。
体重130kgを膝に乗せて、金玉に落としたのだ。目の前に星が舞うくらいの衝撃だった。

大五郎はケツを突き出して、情けない悶え声を出した。

客のテーブルの小型モニタには、大五郎の股間に膝が落ちた瞬間を繰り返し流していた。
中にはその姿を見て興奮している者もいる。

「あっ、あっ、うぉっ!!」
大五郎はリングに頭を擦り付けて、腰を振って痛みを紛らわせた。

巨漢は大五郎の後ろにやって来て、大五郎の腰を持って、自らの腰を振り始めた。
まるでレイプされてケツを掘られているようだった。屈辱的なパフォーマンスで大五郎は怒り心頭だったが、下腹部に広がる強烈な痛みに動くことができない。

身体を揺らされるとジンジンとした男特有の痛みが襲ってきた。巨漢は大五郎のケツに自らの股間を叩きつけた。
パンパンパンと卑猥な音がリング上に響き渡る。

客が盛り上がった後には、巨漢は大五郎のケツに張り手を食らわすと、大五郎はロープまで飛ばされた。

膝をついてロープを両腕で掴む。そして脚を震わせながら歯を食いしばって立ち上がった。
顔を真っ赤にして、憤慨する。ケツを掘られる真似だけとはいえ、大勢の前でこんな屈辱は初めてだった。
「ゆるさねぇ!!」

ロープの反動を利用して、巨漢に向けてラリアットをしかける。
それを巨漢は軽く避けるが、反対側のロープの反動で帰ってきたラリアットは見事に巨漢の首を捉えた。

バシーーン!!

巨漢は宙を舞って、リングに叩きつけられた。

すかさず大五郎は追い討ちをかけるべく追撃の構えを見せた。
その時、正統な技をすれば良かったものの、血がのぼった大五郎は巨漢の両脚を掴み上げて膝を急所に落としてしまう。

「グオッ!!」
大五郎の膝は巨漢の股間を押しつぶし、デカイ図体でリング上を転げ回った。

観客たちは呆気にとられた。大五郎はやった後に後悔するが、試合に集中した。
巨漢はリングから降りて、ロープを掴みながら股間を押さえている。

客のブーイングが響く中、チビがリング上に上がってきた。相変わらずすばしっこい動きで大五郎を翻弄して急所攻撃により動きが鈍った身体に的確にダメージを与えていった。

「はぁ、はぁ」
汗をびっしりかいた身体は、熱を持って湯気が上がっていた。
度重なる急所攻撃に息を切らしながら攻撃を避けた。

チビの相手をしているうちに、いつの間にか回復していた巨漢に背後を取られていた。
慌てて距離を取ろうとした時、チビから目線を外してしまった。

その隙に大五郎急所にチビの拳がめり込んだ。

「グオッ!!」
たまらず大五郎は股間を押さえて片膝をつくと、今度は巨漢に身体を持ち上げられた。
巨漢は右腕で右太ももを、左腕で左脚を支えるように持ち上げた。そうすると大五郎は両脚を左右に開かれた状態で、巨漢に抱え上げられる事になった。

事も出来ずに大五郎は焦った。
股間からくるダメージで、反撃する事ができない。

それどころか巨漢が動くたびに、中央のモッコリが上下にゆっさゆっさと揺れて鈍痛が襲って来る。

そして、巨漢は大五郎を抱え上げたまま、ロープ前で止まった。

「おい、まさか」
大五郎の予想通り、彼は大きく持ち上げられた。腕を大きく振り、逃れようとするが、胴体をガッチリと掴まれてどうにもできない。

観客の声援の中大五郎は股間からロープに勢いよく落とされた。

「うぉっ!!」

彼の急所はロープに打ち付けられて、その反動でバウンドした。
大五郎の100kgある体重が、股間一点にかかる。

「ぐぉっ!!おぉ」
慌てて降りようもがくけれど、足が地面に着かない状況で身動きを取ると固いロープによって黒いパンツの中の双球がゴリゴリとすり潰された。
前傾姿勢となり、前方のロープを両手で掴んで金玉にかかる圧力を分散させた。それでも食い込んだロープは男の急所を責め立てる。

大五郎は苦悶の表情で闇雲に足場を探した。バランスを崩すたびにロープが揺れ動き、振動が金玉にダイレクトに伝わる。
2つの玉の間にロープが食い込み、ロープの位置がズレる度に玉が圧迫された。
大五郎は身体を強張らせて急所に振動が来ないようにするが、巨漢とチビ男達の追い討ちが始まった。

大五郎がロープからなんとか降りようとすると、サードロープに載せていた足が何者かに掴まれた。
それはリング下に降りていたチビ男だった。
足を引っ張るわけでもなく、ただ逃げられないようにホールドされる。

そして逃げ場を失った状況で、巨漢男はにやけながら大五郎の前に現れた。

「さっきの仕返しだ。いい声でなけよ」
毛むくじゃらの両腕でトップロープを掴むと、力任せに揺らし始めた。

ロープが大きく波打つと、大五郎の巨体が跳ね上がった。金玉にロープが深く食い込むと、今度は支えの無くなった身体は股間から落下する。
そして下から打ち上げられたロープが再び彼の双球を痛めつけた。

巨漢の男はダイナミックにロープを上下に揺れ動かし、その度に大五郎は身体ごと上下に揺れる。ムッチリとしたガタイが揺れ動いて汗が四散する。

「あぐっ!!ぐおっ!!うぉっ!!」

必死にロープを掴んで、金玉へのダメージを減らそうとするが、次から次へとくるロープに打たれめり込み、徐々にダメージが蓄積していった。
股間の膨らみはロープに打たれる度にぶにゅりと形を変え、打ち所が悪ければ金玉が固いロープと自身の身体に挟まれて空豆のように潰れた。時折チビ男に足を引っ張られて深々とめり込む事もあった。

両脚をピンと張り、身体を強張らせて上下に揺れ動く姿は、大五郎が思っている以上に滑稽で、大五郎の悲鳴は客達の下品な笑い声にかき消された。

ようやくロープ責めから降ろされた大五郎は、リング上でくの字に身体を折り曲げて悶絶した。

鉄柱とロープ責めによって蓄積されたダメージで大五郎は苦しめられた。

「くそっ!!俺の…タマばかり…」
「まだ闘志があるとは、根性のある野郎だ。もっと金玉をいたぶってやる」

巨漢の言う通り、大五郎への責めは終わっていなかった。
大五郎は両足首を掴まれると、大きく開かれて、体全体をコーナーの方へ向けられた。

チビがコーナーに登る間、大五郎は焦っていた。
こいつらは俺の急所を徹底的にいたぶるつもりだ。これ以上やられてしまえば、金玉を潰されかねない。

逃げようにも足首をガッシリと掴まれてしまっていて、そんな状況ではなかった。

かといって、手で股間を守った場合、手の甲を骨折するリスクがあった。苦渋の決断だった。
大五郎はゆっくりと手を退けた。骨折のリスクよりも急所を打たれる事を選んだ。

黒いパンツの中には、大五郎の大事なチンポと金玉が詰まっていた。無防備にさらけ出す男の膨らみに、コーナーのチビは狙いを定めた。

客たちの興奮も最高潮に高まるなか、軽々とコーナーから飛び上がった。
チビの身体は3mもの高さから、大五郎の急所めがけて落下した。

勢いのついた肘が、大五郎の股間に鋭角に突き刺ささった。クリーンヒットした硬い肘が、脆弱な睾丸を押しつぶす。あまりの衝撃に、大五郎は飛び上がった。そしてすぐさま身体を丸めてリング中央でバウンドすると、小さくなった。

「おうっ!!おぉっ……んんっ!!」

両膝をつき、頭をリングにつけて嗚咽を漏らす。
黒いパンツが食い込んだケツをキュッとあげて、太足を開く。そしてその中央で揺れ動く痛めつけられた睾丸を、必死に押さえていた。

その様子をチビと巨漢はニヤニヤしながら眺めていた。

大五郎が分厚い身体を丸めて、男の痛みに必死に耐える姿は観客だけでなく、彼らにも極上の喜びだった。
激痛に顔を歪ませている大五郎とは対象的に、観客達は脂汗を流して悶絶している男を指差して下品に笑っていた。

大五郎の睾丸が押し潰されて破裂しそうになったとしても彼らは気にしないだろう。

己の浅ましく下卑た欲望を隠そうともしない。
そして、それに応えるように、巨漢は大五郎の両足首を持ち上げた。
そして、毛むくじゃらの股を開かせて、痛みの治っていない股間を曝け出す。

大五郎は油汗でまみれた顔をブンブンと横に振り、両手を巨漢にむけた。
これ以上やられたら睾丸がもたない。本当に潰されるかもしれない恐怖が大五郎を襲った。

「悪かった!!だからな?」
「俺の金玉をやったことか?気にすんな」

股間から離した手は、非情にもチビ男によって掴まれて頭の上に持ち上げられた。
無防備な状況の股間が、巨漢の真下に横たわっていた。

「潰れても恨むなよ」
巨漢がボソッとそう呟くと、全体重を乗せた膝が、大五郎の股間に抉り込んだ。

「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

硬い膝と床にプレスされた金玉は、黒いパンツの中を逃げ惑った。

反動で身体を大きく跳ね上げるが、股間を手で押さえることも痛みに転げ回ることもできない。
リング上での拷問はまだ続く。また、巨漢の膝が大五郎の男の膨らみに落ちた。

「あぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
逃げ場はない。大五郎は涙を流し、咆哮を上げて逃げようとするが、散々金的を食らってきたせいか、気力も体力も相手に勝てなかった。3発目の膝が急所を押しつぶしたあと、大五郎は泡を吹いて失神していた。
股間からは生暖かい液体が流れ出し、リングを汚す。

気を失った大五郎の顔面に、覆面レスラー達は精液をぶちまけた。

そして彼が失神している間に、汚れたレスリングパンツがオークションにかけられていたことは、彼には知る由もない。

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