砂浜の用心棒3-2.根性


「さて、今からタマを泣きが入るまでいたぶってやるが、覚悟はできてるか?ニイちゃん」
「お、おぅ。そのかわり…」
「わぁっとるわ。お礼参りはこれで終わりにしといたる」

山内は少し声を震わせながら言った。

「あと、ガチで潰さないでくれよ」
「それはわかんねぇな。手元が狂ってプチってやっちまうかもしれねぇ」
「ぉお!?」

米下は山内の股間を根本から乱暴に掴みとった。そして、指を何本も動かして、生暖かい股間の感触を楽しんだ。
ケツワレの生地は競泳水着よりも薄く、握りやすい。

タップリとした双球の間には、芋虫のような形と弾力の竿が下向きに収納されていた。

ケツワレに固定された2つの球をグニグニと握ったり押し込んだりして、山内の反応を探る。
精悍な顔つきはみるみるうちに歪んで、苦しそうな雄の顔になった。

「あぅっ!!」

じっとりとした汗がじわじわと湧き出し、ゴツゴツとした肉体をながれる。
初めは耐え抜くという気持ちで臨んだのだが、握り潰しのダメージが徐々に蓄積されたうえで、裏玉を責められ始めると重くのしかかった。
猛烈に金玉と下っ腹の辺りが痛み始めた。

「あぁ…ああ」

また、米下は的確に男の急所を責めているだげでなく、獲物が暴れないように潰し方に強弱をつけて、ゆっくりじわじわとなぶっていった。
それは、いとも容易く大の男を悶絶地獄に落とした。

俺の玉がこんな奴らに…!!くそ。
途方もなく苦しくて辛い痛みだが、反抗心は満ち満ちていた。

安永や山内のような屈強な男でも、金的を狙われればひとたまりもない。本来ならば心も身体も追い込まれていく。
だが、なんとしても耐えてみせると思えるのは、先輩との金的鍛錬のおかげだ。

自分の急所が米下の分厚い手の中にあり、ゴリュっゴリュっと睾丸を強く握られるたびに、大きなガタイを震わせた。

「あぁ…キンタマ…」
悶絶の蟻地獄に落とされていく。

「さて、ウォーミングアップもこれくらいにして、ちょっとしたゲームでもやるか?」

米下は手下に指示をして、安永を立たせた。そして、両脚を無理やり開かせた。
安永はいつの間にか後ろでで縛られていて、口もタオルで縛られている。

「話が違うじゃねえか」
「なに、ちょっとした遊びや。知ってるで?金的鍛錬やってるんやろ?」
「……くっ!」

山内の睾丸を掌の上で転がしながら米下は言った。
「成果を見てやるってことや。今から10発膝金やったたるから。膝つかんかったら終わりにしてやる」

山内は唾を飲んだ。膝金10発…1発でも地獄の苦しみなのに、それを10発も!?それは途方もない数に思える。
先輩との金的鍛錬でも5発の連続金蹴りが限界だった。

「も、もし膝をついたら、どうなる」
「その時はコッチのオヤジに膝金や」

米下の提案に、山内は怒った。

「俺が代わりに金的受けるって言ってんだろ!!」
「それじゃあ、つまらんのやわ。一番借りがあるのはこいつやからな。でも耐えれば済むことだろ?」

山内は頭を捻った。
この状況でコイツらの言いなりにならないと安永さんの命が危ない。
だが、膝金を食い続けるのを想像しただけで股間が縮み上がる。

「ん"〜ん〜」
「いちいちウルセェんだよ、おっさん」

島田に安永の急所が鷲掴みにされた。

「かはぁ!!」

「わ、わかった。好きにしろ」
安永の姿を見て、慌てて山内は提案に乗ってしまったのだった。

目を閉じて、呼吸を落ち着かせる。
ジメジメとした夏の熱帯夜のせいで、身体中が汗でベトベトだ。

俺は男だ…。そして用心棒だ。
どんな理不尽な責めでも耐え切らなければならない。

山内は言われた通り、両手を頭の上に乗せて股を軽く開いた。

まださっき握られた鈍痛が残っていて、耐え抜くと決めた決意を揺さぶってくる。
そして米下を見ると、膝がガクガクと震えた。

「なんや、ビビってんのか?」
「ちがう!!」
「これからこのプリプリのタマが押し潰されるんや。たのしみやのぉ」
「この…外道が…」

「まずは軽ーくやったるからな」

米下は山内の両方を掴むと、狙いを一点に絞った。そして素早く膝を跳ね上げた。

シュン!!ゴリ!!
「んぐぅっ!!」

軽くなんてとんでもない。
山内は思わずデカい巨体を跳ねさせて衝撃を逃がそうとしたが、それ以上のスピードで睾丸が固い膝に容赦なく跳ね上げられて押しつぶされた。

前に倒れそうになるが、すんでのところで足を踏ん張った。
身体を丸めて、股間を必死に抑えて肩で息をしている。

「あぁぁぁ、はぁ、はぁ……うぅぅ」

「よく耐えたやんけ。前のお前なら倒れてたんちゃうか?ほら、まだまだ残ってるで」

米下は容赦がない。まだ蹴り上げられて1分も立っていないのに、更なる膝金をしようとしている。

「さっさとせんと警察がくるやろ?」

そう言って無理やり山内の腕を股間からどけて、股を開くように指示をした。
山内も必死だ。滝のような汗を流して男の痛みに耐えながら、更なる激痛に身を投じなければならない。

俺は男だ、耐えられない痛みなどない…。
そう自分に言い聞かせて、震える腰を前に突き出した。

「次は連続で行くで」

米下の宣言通り、そこからは連続の膝金だった。

シュッ!!
威力の弱まらない無慈悲な膝蹴りが、山内の弱り切った睾丸を突き刺さり、男ならば目を覆いたくなるような激痛を生んだ。
しかも、山内が本能的に回避行動を取る前に、更にもう1発、膝がケツワレの柔らかな膨らみにめりこむ。

「ぐぉぉぉぉ!!うぉっ!!!」
山内はたまらず腰を引いて逃げようとするが、米下は追撃して、膝を深くめり込ませた。

「おぉぉぉぉぉ!!!」

連続で3発が睾丸をとらえ、4発目は山内の腹にぶち当たった。

「あひっ!!!うぅぅぅ…」

山内の悲痛な悲鳴が暗い海辺に響いた。

内股になって腰を引いているが、かろうじて倒れ込んではいない。
しかし、その顔は暗がりでも分かるほどに歪に歪み、汗と涙でぐっしょりと濡れている。

よろよろと歩いたと思うと、近くの岩場に片手をつき、もう一方の片手で股間を必死に押さえている。

「たまらんなぁ、男が見せる究極の顔や。どんなに強がっても耐えるのはムズイやろ」

ザクザクと米下が砂浜を歩き近付いてくる。
どうしようもない痛みの中、山内は絶望していた。
耐えると言っていたが、米下の膝金の威力をなめていた。今まで先輩に鍛錬を受けていた膝金とは次元が違う。
マジで潰されかねない。

膝が笑っている。

「さっさと続きやんぞ」

「じ、時間をくれ。たのむ」
山内は精一杯の言葉でそう言った。しかし米下の返事はノーだ。

「あほか、警察呼んだのはお前やろ。それとも何か?マジで殺してやるか?」

山内の顔が恐怖に染まった。
俺が耐え抜けば…いい…

「膝金は逃げるやろ、ならその岩に両手を付けるんや。そう、そうや。それでまた開くんや」

米下の言いなりになって、背を向けて岩に両手を置いた。
金玉がズキンズキンと痛み、苦痛に全身を支配されている。今すぐ倒れ込みたい、そして股間を押さえたい。
そんな気持ちを何とか収めて、岩を握りしめた。この支えがないと崩れ落ちてしまいそうだ。
背後に米下がいるのがわかる。いつ急所を蹴られるかわからない恐怖に山内は目を瞑った。

やるならさっさとやってくれ!!

そして足蹴にされて、ようやく股を開いたが、男のサガで徐々に太腿が震えて股を閉じようとしてしまう。
すかさず米下はケツの間から股間を掴み上げた。

「うぉ!!うぉっ!!」

死角からくる予想外の握り潰しに、たまらず山内は両足を閉じた。
散々蹴られてきた金玉は、今や触れられるだけで激痛が走ってしまう。ケツワレの締め付けだけでも辛いほどだ。
その状態で乱暴に掴まれては、どうしようも無い。
もう下腹部いっぱいに鈍痛がたまって、苦しい。早く横になりたい。

しかし米下は甘くない。

「股が閉じてるで兄ちゃん。マッチョなガタイしてくくせに自分の決めた事も守らねぇえ男なんかぁ?」
「ち、ちがう」
「どう違うんや?さっさと開かないとこのままゆっくり潰していくで」

山内の両太ももに腕を挟まれながら、ゴリゴリと金玉を握っていく。
「くぅぅぅ………」

内臓を絞られる苦痛に、山内は精神的も追い込まれていった。

「ぁぁぁぁ…わ、わかった。わかったから離してくれ!!」
「なら頑張るんや。今からキツイのをこのプリプリのタマにくらわせてやるからな」

そう言って米下が股間から手を離すと、山内はなけなしの勇気を振り絞り、股をギリギリと開いていった。
少しでも気を抜くと脚が閉じてしまいそうだ。

「ぶってぇ脚してるんやからもっと開くんや。そうそうや」
山内はいつ襲ってくるかわからない蹴りに恐怖した。背後からの金蹴りは何度も経験したが、これほど恐ろしい事はない。
そして、それは突然襲ってきた。

パスーーン!!!!

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

米下の固い革靴が、山内のケツワレの中の急所を蹴り上げた。腫れた金玉の入ったケツワレの膨らみがバルルンと激しく上下し、男を地獄に落とす
ズルズルと膝が落ちていくが、何とか踏ん張り、股を開く。すると、再び蹴りが股座を駆け上がる。

パスーーン!!!!
「ぐぉぉぉぉぉぉ!!」

腫れ上がった金玉に容赦のない蹴り上げだ。
岩に額を擦り付け、よだれを垂らして悶絶した。

「あ、ぁっ、俺の…キンタマ…俺のタマが…」

男に生まれたことを後悔するくらいの激痛に頭の中は金玉のことしか考えられない。
金玉からのジェットエンジンのような猛烈な痛みが、脳をグラングランと揺さぶって、さらに下腹部から爪先にかけて、毒でも回っているかのように苦しい。
唯一思考に割けるのは、安永の事だけだ。

俺が踏ん張らなきゃ、安永さんが同じ目に合う。
意識が朦朧とする中、かろうじて股を開いたときに、無慈悲な蹴り上げが、再び男の急所を蹴り上げた。

パスーーン!!!!

「ぐぶっ!!!うぅ……」

さっきの蹴りと比べると威力は下がっていたが、これだけタマを蹴られた状態なら関係ない。とうとう山内は訳もわからず前のめりに倒れ込んでしまった。

「んがっ!!あぁぁうぅ……、キンタマ……キンタマ!!!!!」
膝をつき、両手で股間を押さえながら砂浜に頭を埋める。理性ではどうにもできない、限界だった。

男を廃業したくなるような痛みに、悶え苦しむ。

「おい、どうした?耐え抜くって言ってたやろ?」
「あぁぁ…、むりだ……キンタマ…」
「ほう、それならこのオヤジにお仕置きやな」

くそっ!!くそっ!!

米下がニヤニヤと笑いながら仲間に指示を出すと、安永の野太い悲鳴が響いた。
苦痛に耐えながら辛うじて確認すると、一発、二発と膝蹴りが安永の無防備な股間に、打ち込まれる。

「ぐぁっ!!うっ!!ぉぉ!!」

俺のせいだ、俺が弱いからだ。

動けっ!!
朦朧とする意識の中でなんとか脚を動かそうするが、足を立てた途端、ぶら下がる双球が互いにぶつかり、雷に打たれたように再び前のめりに倒れ込んだ。

「ぁあっ!!」
一度倒れ込むと、金玉の強烈な痛みのせいで、脚に力を入れることすら難しくなる。
ああぁ…くそっ!!キンタマ。安永さん、すみません…

その間にも、安永の急所は競パン越しに何度も硬い膝で打ち上げられ、ゴツいガタイを大きくのけぞらせ、汗を飛び散らせた。
安永の悲鳴が山内を焦らせる。

「あぁ…むぅ…」

それでも、山内は股間を押さえながら、何とか膝を立てた。義務感と根性で何とか意識を食いつなぐ。

「ええ顔やんけ。あと4発だけや。耐えられるやろ?」
4発、その言葉を聞いてゾッとした。今の山内の金玉は何発も蹴られたことで腫れ上がり、延々と続く急所の鈍痛が、気力をゴリゴリと削っている。
そして、金玉を蹴り上げられた時の激しい激痛と苦痛が鮮明に脳裏に焼き付いており、これ以上無いほど追い詰めていた。

むり、だ…これ以上タマやられたら…俺…

安永のためゴツイ脚を震わせて、何とか立ち上がった。

「だいぶきとるな」

焦点の定まらない虚な目で、ふらふらと立ち上がる。立つことさえ辛く、股間にぶら下がる急所から腹にかけて毒でも入れられたかのような強烈な苦しみが絶え間なく襲う。
そんな山内の両肩を掴み、弱りきった金玉に、米下は容赦のない膝を叩き込んだ。

バッシーーン!!

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

股座を駆け上がった膝を、山内はキンタマで受け止めるしかない。
硬い膝の骨にキンタマを押し潰され、絶叫を上げる。
そのままズルズルと米下の手から滑り落ち、大きなガタイを丸めて、亀のように蹲った。

情けない…あれだけ金的鍛錬をして、次こそはヤクザをやっつけるつもりだったのに…安永を人質に取られてなお、俺は金的に屈服するのか…
心の奥底では自分の根性に失望しつつも、どうしても気力を振り絞って金玉を差し出すことができない。
米下に脇腹を蹴られ、ボロ雑巾のように横たわった。
このまま俺は負けるのか…

あぁ、ダメだ。俺は男だ…
朦朧とする意識の中、米下の笑ったムカつく顔が見え、そして遠くの方で安永さんが股間を蹴られる姿を見た。

股間が妙に温かい。

そこで記憶が曖昧になり、意識が途絶えた。

<3-1.闇夜に紛れて|一 覧|

TOPへもどる