俺たち競パン族

muscle
 夏と言えばプールに海!!!プールと言えばマッチョな男たちに競パンのふくらみ!!!ということで俺たちは近所のプールへやってきた。脱衣所は休日プール日和という事で家族連れが目立ち混雑していた。
「おい、早く来いよ。」そう急かすのは大学の連れの橘浩平(たちばな こうへい)。彼は俺がゲイってことを知ってる唯一の男だ。プロレスラーみたいなデッケエ身体をして、いっちょまえに青い競パン履いてるが、彼自身はゲイでは無いんんだな残念。
ムンッと大きく張った大胸筋の谷間をじっとりとした汗が流れ、テカっている。その下には青い競泳パンツのひもあたりまで盛り上がっている生殖器のふくらみが見え、さらにその下には動きにあわせるようにワサワサと大きな二つの金玉が揺れていた。
「おせぇぇぇ、いつまで着替えに時間かかるんだよ大輔」
「そう言うなって。これ予想外に小さくて上に・・・・あがらん・・・・」
俺はスパッツタイプの水着と格闘していた。なんせ以前履いたのが中学のときだ、そのときと今とじゃ、身長も体重も全然違う。
「見てられん、ほれ、俺の競パン使えって」公平から少しくたびれた赤い競パンを渡された。
「おまえ、俺がゲイって知ってて言ってるのか。だいたいなんで二つも持って来てるんだよ。」
「まあ癖ってやつ?部活じゃ何枚も持っていってるしね」公平は中高と水泳部、大学には水球部に所属していた。一般人がたくさんいるここで恥ずかしげもなく競パン一丁になれるのもその部活動のおかげだろう。しかし俺の場合はそうはいかない、確かに俺だってもっこりさせて歩きたい、エロい競パンを履きたいよ。だけど恥ずかしいじゃないか。
結局おれは、しかたなく公平から渡された赤色の競パンに足を通した。
「おまえなかなか様になってるぞ」公平はそう言うが、やはり不安だ。公平までは無いにしても、それなりに鍛えているつもりだが、そのせいで逆に好奇な目で見られないだろうか。更衣室をでてプールサイドを歩いているときも他人の目線が気になった。
取りあえず股間のもっこりが恥ずかしかった。歩くたびにゆっさゆっさと左右に揺れる。俺にそんな趣味は無いのだが見られているという興奮で少し勃ってきた。 「だいき〜。お前股間を隠してたら余計に変な目で見られるぞ?男なら堂々と歩けよ」
「そんなこと言っても。お前と俺の競パン、オソロだぜ?ゲイカップルと間違われるんじゃないか?」
「ばーか、そんなこと考えるのはお前だけだよ。取りあえず泳ごうぜ」

俺は勃起を隠すためにプールサイド横のベンチに座った。この場所はちょうど建物の陰になっていて涼しい。サンサンと降り注ぐ夏の太陽が3つのプールを照らしている。
50mプールの方を見ると、一般客でごった返すプール向こう側の競技スペースに公平を発見した。ついその泳ぎっぷりに見とれてしまう。その逞しい身体を使った豪快なクロールは水しぶきを跳ね上げ、まるで獲物を狙うシャチのように猛スピードで水を掻いていた。端まで来るとくるっと身体を反転させ、また端をめがけて泳ぐ。 俺は時間も忘れて彼のその大胆な泳ぎっぷりを眺めていた。

しばらくして手招きをする公平のもとへ向かう。俺がプールサイドをぐるっと回って彼のもとへ行くと、彼は勢いよく水から上がり、その逞しい身体を披露した。水に濡れた爽やかな短髪、キリッとした男らしい眉、水滴のしたたる厚い胸や、嫌らしく突き出る淡いピンク色の乳首、広い肩幅、引き締まった腰周りと競パンの両脇からはみ出す陰毛。水分を吸った競パンにぴっちりと張り付く陰茎と陰嚢。
そのどれもが男らしさを醸し出していた。
「そんなにジロジロみるなよ。恥ずかしいじゃないか」
俺はハッとなって目線をそらした。どうやら普段なかなか見れない公平の男らしさに魅かれたようだ。
「わりいわりい、俺も泳ぎたくなったから・・・・どうだ、流れるプールでも行こうぜ」
「いいぜ」
俺たちは施設中央の流れるプールに飛び込んだ。相変わらず競パン姿で歩くのは抵抗があるが、水の中に入ってしまえばどうってこと無い。
俺は流れに身を任せて水の上を漂った。そこまで気にはならないがプールの中はだいぶ混雑していて浮き輪や誰かの身体がよくぶつかる。すぐ後ろを見ると公平もまた同じように漂っていた。ひんやりとした水が気持ちいい。いったんプールサイドにあがってしまうと太陽の暑さとコンクリートの熱気ですぐに干涸びてしまう。それにくらべてこの場所は天国のようだった。
ただ流れるだけではつまらない。そう考えた俺たちは流れるプールの中で競争することにした。ルールは至って簡単。この全長150mある流れるプールを、流れに逆らわずに先に3週した方が勝ちだ。だだの直線レーンなら俺には勝ち目が無い、だがこのプールは人が障害物になっている為、俺にもチャンスはあった。
「いいか、このポールが目印だ。3週だぞ3週」
「さっさと始めようぜ」
「行くぞ、GO!!!」
俺たちは同時に水中へ潜った。なるべく人の少ないコースを見極め、足で水を掻く。プール内の水流も後押しして俺はイルカになった気分で水中を進んだ。時折無茶なスペースに顔を突っ込み浮かんでいる浮き輪を跳ね上げ、強引に進む。俺の前を泳ぐ公平もそれは同じだった。初めはさほど距離を離されなかったのだが、1週を過ぎたあたりから公平に遅れを取るようになった。焦りと不安から俺の泳ぎは強引さを増し、周囲の客を困らせる。とうとう公平が見えなくなってしまったので、俺は半ば諦めモードで残りを進んだ。
3週目が終わり、俺はプールサイドによじ上り公平を探す。あたりを見渡すと、一般客に混じってひときわ目立つマッチョなガタイが炎天下の中ベンチに腰掛けていた。

「やっぱすげえなお前。」俺がそういうと、てっきりいつもの調子で「あったりめえよ。水中の総合格闘技と呼ばれる水球選手をなめるな」と豪快におどけて言ってくると思ったのだが様子が違った。
「おい、どうした」
よく見ると不自然に腰を前にかがめ、むっちりとした太ももを内股に閉じて太い腕を股間にやっている。普段のおちゃらけた顔は無く、その顔は真剣だった。 「いてぇ・・・」
「へっ!?」俺はそのため息のような声に聞き返した。
「痛えんだよ。誰かが俺の金玉に蹴り入れやがった。まじ痛え」
「ぷっ・・・・・」俺はこらえきれなくなって、ふきだした。

「わっはははっははっはは!!!!!!!おまえタマキン蹴られたのか?ぷぷ、俺がてっきり先に行っていると思ったら?え?きんたまを?けりあげられ?あははははっはは!!!おかしいなあ、おい」
俺はただ笑った。俺が負けたと思ったあのとき、すでに公平はプールから上がって一人悶絶してたわけだ。
「おい、笑い事じゃねえぞ。ほんとに痛いんだから」
「ププッ。お前みたいな豪快な男でもやっぱり金玉は痛いんだな。ああ可笑しい、おっとアブねえ。」
公平の手が俺の股間にのびる直前で腰を曲げて避けた。まったく油断も隙もあったもんじゃねえ、俺の金玉はお前にはやらん。
俺は公平が悶絶したシチュエーションを想像してみた。
俺を突き放し、ゴールまであと1週という時、そこでは子供たちがバタ足の練習をしていた。親に腕を掴まれた子供は一心不乱に脚を上下させる。そこに青色の競パンを履いた公平が身体を横に仰け反らせて通りがかる。そのとき、その子供が放った渾身の蹴りが彼の若い急所にぶちあったった。その蹴りは水中とはいえども確実に彼の睾丸を変形させその内部に衝撃を加えた。
公平にとっては予想外の出来事だっただろう。いきなりの激痛に身体を硬直させ少しばかり水を吸い込んでしまう。溺れそうになるのを持ち前の経験とフットワークで持ち直し、息も絶え絶えにプールから上がったわけだ。競パンの圧迫はそれだけで彼を苦しめ、下腹部の痛みを必死にこらえながら股間を押さえて歩く。そんな逞しい男は、他の一般客の好奇な目を浴びながらベンチまでたどり着いたのだろう。

「ところで・・・」俺は気になる事を公平に聞いてみた。
「水球では金玉打ったりしないのか?結構激しいスポーツだと聞いているけど」大好きな水球の話をしたのが嬉しいのか、彼は金玉の痛みが嘘のように生き生きとし始めた。 「おお、お前もついに水球のすばらしさがわかったのか」
「いや、違うけど。てかその言い方だと水球のすばらしさって金的にならないか」そんな俺の言葉は無視して目を輝かせて話す。彼のそんな無邪気な顔をみて、俺は黙って聞く事にした。

「そう、水球というのはプールに作られたコート内でボールを奪い合い、ゴールにボールを入れ合うという競技だ、それはお前も知ってるな。だが身体のほとんどが水中にあるわけだから反則をしたかどうかなんてわかりっこない。つまり見た目ではそこまで派手ではないが水中の中では絶えず死闘が繰り広げられているわけだ。水中の総合格闘技と呼ばれる所以だな。掴みや蹴りはもちろんの事、金的なんてしょっちゅう起こる。
この前の試合だってそうだ、相手チームに一人とんでもないやつが居てな、俺のタマキンを必要以上に狙ってきやがる。
最初の一発は不意打ちだったよ。警戒していない俺の金玉を下から膝でがつんとな。もちろん水の中で静かに悶絶したさ、だがその程度じゃ試合は止まらない。
そりゃ一回くらいの金的はよくあることだがそいつは違った。あいつはボールを奪う為に俺を狙う訳じゃない。俺の金玉を潰す事が目的だったわけだ。
あいつはとにかく俺について回った、隙なんて見せればすぐにもろ金玉を握り込まれる

そういって公平は手のひらを握る真似をした。
「それで?」
「そりゃもうたまったもんじゃねぇよ、一度捕まりゃなかなか離さない、競パン越しに指を俺の金玉の裏までやってな、こう・・ぎゅっと。
あのときは潰されると思ったね。身体を俺に密着させてな、ゴリゴリとすり潰すんだ。不審に思ったレフェリーや監督が声を上げようと手を離さない。内蔵を鷲掴みにされるような痛みが下腹部へ広がってな、視界がこうぼやけてくるわけよ。結局その試合ではベンチで男の痛みと戦うだけだった。

「へぇ。わけわかんないなそいつ」俺はどちらかというと公平の悶絶具合が気になった。男の象徴である金玉、その逞しさの源である金玉をやられたわけだ、気にならないわけがない。ベンチにすわって金玉をいたわるように必死に摩る競パン姿の公平を思い浮かべた。
「やっぱ痛いんだな、お前でも」
「当たり前さ。男の急所だからな。どうだ?お前のを握ってやろうか?」
「えっ!?やめろよ、こんな人の多い場所で」
「お、そこまで嫌そうじゃないな。遠慮すんなって、悶絶させてやっから」
正直言って迷っていた。俺は生まれてこのかた急所を強打した経験が無い。もちろん金玉が急所であり耐えられない場所だという知識はある。だが実際にどのような苦痛なのだろうか公平の話を聞いて少し興味が出て来た。それが後に後悔することになるのだが。

「ここでは恥ずかしいから人が居ない場所でやってくれ」俺は金的握りという探究心に負け、不安を押し殺しながらそう提案した。
個室のシャワー室を見つけ、そこへ二人で入る。大規模なシャワー室には四方から誰かが身体を流す音や、子供のはしゃぎ声が聞こえた。

「いいんだな、ほんとに握っても。きついなら言えよ」俺たちは狭い個室にそのでかい図体を密着し合った。目の前には幅広の背中を持つ公平がエロい競パンすがたでどっしりと立っている。そのむっちりとした大胸筋にある二つのイヤらしい突起に吸い付きたい衝動に駆られるが、俺は平静を装った。
「いくぞ」
そのかけ声とともに太い5本の指を俺の赤い競パンに包まれた二つの雄玉に張り付くように下から滑り込ませる。公平が腕を上下させると、俺の競パンの膨らみもゆっさゆっさと揺れた。
「なかなかデカいふぐりだな。溜まってんじゃねえのか」言うと同時に俺の玉はがっちりと巨大な手のひらに包まれた。公平の手によって、二つの金玉が下に引っ張られ、そのまま握り込まれる。
「うっ!!」
軽く圧迫されただけで既に俺は苦痛に喘いでいた。
公平がゆっくりと指を縮込ませるとそれに合わせて玉は圧迫され、少しづつ変形していく。俺はたまらず手で空を掻いた。
「オゥッ!!もう無理だ!!金玉の痛みはわかった。離してくれ」しかし俺の予想に反して公平はさらに握力を強め、俺の睾丸を圧迫した。彼の真剣な目は澄み、それが余計に俺を不安にさせる。
「こ・・・・うへい!?アガッ!!!?」
「あまり大きな声を出すなよ。他の客にばれるぜ」彼はそう耳元でささやく。
「ギャッ!!!ふう・・・ウッ!!」公平は今まで見せた事の無いような真剣な顔で指を動かし、口をパクパクと動かす俺の反応を楽しむ。
俺は完全に悶絶地獄に堕ち、自ら金玉を差し出した事を後悔した。足の力は完全に削ぎ落され、俺は公平に身を預ける。よれるように彼の肩に手を回し、むっちりと濡れる褐色の大胸筋に顔を埋めた。
自分の股間に目をやるとそこには形のわかるほど引っ張り上げられた双球が大きな手のひらに監獄の様にとらえられていた。金玉を親指で押しつぶされる度に電撃が身体を駆け上がり、大きく痙攣する。声を挙げて叫びたい気持ちを抑え、逞しい男の胸で静かに悶絶した。
「はぁはぁ・・・・うぐっ!!」
リズミカルなその指さばきは俺の睾丸を容赦なく責め立てる。しばらくその地獄の苦痛と俺は戦った。
これが男を地獄に落とす玉攻めかと、俺は己の身体で嫌というほど感じ、俺はただ下腹部の底からわき上がる男の痛みに耐えていた。

すると、ふっと下腹部の圧迫感がとれた。俺はそのまま公平の胸からずれ落ちそうになるが、彼に支えられる。ゆっくりと地面におろされた俺は、シャワー室のタイルの上で横倒しになって身体を丸めた。
競パンによって圧迫されているような錯覚を抱き、下腹部に手を伸ばし震える手でなんとか紐を緩め、そのまま痛む金玉を手で押さえながら回復を待った。

「どうだ、金玉握られるのは、たまんねえだろ。でもな一度は体験しておくべきことなんだぞ。そうしないと他の男の苦しみが理解できない。
そしてな、今日この瞬間、俺とお前は男の苦しみを分かち合った。金的仲間だ」
顔をあげるとそこには白い歯がまぶしい男前が立っていた。公平に助けられながらなんとか立ち上がる俺は臭いせりふを吐く公平に苦笑いを浮かべながら彼の身体を引き寄せた。
「何が金的仲間だ!!!これでもくらえ!!!」
「はうっ!!!」
俺は残った力を振り絞り公平の股間の膨らみを真下から殴りつけた。公平は情けない声を挙げて膝を付いて顔を歪ませ悶絶した。


「まだ時間はあるんだ。今日は存分に遊んで返ろうぜ」
「そうだな」
しばらく回復を待ち、俺たちは股間を片手で押さえながらシャワー室を後にした。

「ところで、さっきベンチに座って金玉押さえてる時、どこ見てたんだ?」
「いわなきゃだめ?うん、えっと。美人のチャンねーみてた」
「まじかよ。あきれた・・・」
「すげぇんだぜ。お前に言っても分かんねえかもしれねえが、巨乳なんだ」
「ふーん」
だが俺だってマッチョな男を探していたわけだから、男の性欲というのは馬鹿にはできないな。と俺は思うのだった。

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日も地平線近くまで落ち、大勢居た人ごみもまばらになって来た。俺たちはあの後ウォータースライダーで何度も滑り、波の出るプールで子供のように遊び、存分にはしゃいだ。
「もうそろそろだな。はあ、遊びすぎて疲れた」パンツの食い込みを直す公平の姿は男らしく、魅力的で何とも言えない寂しさを感じ、俺は黙った。
「どうした、そんなにしんみりになって」
「いや、しばらく公平とも遊べなくなるなと思ってな。おまえ部活で忙しいだろ?」
恥ずかしい事だが俺は公平のように打ち込むスポーツも無く、大学生活を悶々と過ごしていた。部活動やサークルにも所属していない。これといった特技も無く、唯一高校まで続けていたサッカーもやめてしまった。サークルに入るにしても、もう2回の夏だ。今から入るというのは億劫でしかたがない。
「そう言うなって。どうだ?部活の方は無理だが。土日に俺が行ってる水球同好会に入ってみないか?」
水球同好会とは部活ほど厳しくなく、ただ水球の良さを知ってもらおうと彼の先輩が始めた同好会だ。公平が言うには初心者でもよっぽど運動音痴でないかぎりは入れるものだったが・・・。
「いや、まあ考えとくよ」俺はどっちつかずの空返事をした。人見知りの俺にとってはそうホイホイと決めることは出来ない、また水球という激しさもまた俺を不安にさせた。

俺たちはその後一通り泳ぎ終え、シャワーを浴びて更衣室に向かった。
「なんか変じゃないか」途中、公平がそう言って建物の裏側に俺を連れて行った。そこには若い女が悪趣味なジャージを羽織る25歳くらいの男二人にナンパされていた。片方はマッチョ、もう片方はガリという奇妙な組み合わせだ。
「ねえちゃん、そう言わずに俺たちと遊ぼうぜ。気持ちいいことしてやっからよ」
「やめてください」
明らかに頭の悪そうな男がビキニ姿の女の胸をなで回す。女のほうも抵抗こそすれ、全く効いていなかった。
「おい、見せ物じゃねえんだから。あっちいっとけガキ」俺たちに気が付いたのか手で払うような仕草をし、そう言う。

「どうする公平」
「どうするもこうするも、放ってはおけねえよ」
正義感というわけではない、公平はこのようなチャラい男が大嫌いなのだった。

周りには俺たち以外に人影がない。俺も覚悟を決めて公平の後に続く。
「いいか、大輔は後ろのひょろいのだ。どうにかして女から離してくれ」
そう言うと公平は急に男めがけて駆け出した。助走をつけた飛び膝蹴りは男のこめかみを捉え、後方へ吹き飛ばす。あっけにとられ硬直していた俺は、何も出来ずにただ呆然としていた。突然の出来事にあたふたしていると公平はもう一人のガリ男を持ち前の馬鹿力で持ち上げ、そのまま近くに投げ飛ばす。公平はお礼をいいながらそそくさと逃げ出す女を見送り、俺のもとへ戻って来た。
「わるいな、無茶言って。」何もできなかった自分が恥ずかしい。しかしまだ事は済んでいなかった。

蹴りをくらった男がヨロヨロと立ち上がり、俺たちを鋭い眼孔で睨みつける。俺はあまりの恐ろしさに半歩下がった。
「俺一人でやるからよ。」そう言って男と対峙する公平の背中はいつもよりも大きく逞しく見えた。しかし1人で2人を相手できる筈が無い。相手の顔面に拳を打ち込むが、後ろから蹴りを入れられ、膝を付く。顔面にお返しとばかりに固い靴で蹴られ、コンクリートの床に転がった。

俺はちっぽけな勇気を奮い立たせ、震える足を動かし公平を助けるべく駆け出した。片方の男に肩からぶつかり、はねとばす。こいつよりは俺の方が身長も体重も上だ。何を怖がる必要がある。そのまま膝を付いて立ち上がろうとする相手を踏みつけ、馬乗りになった。しかし今度はもう一人のマッチョに引き剥がされ蹴り転がされる。

「おまえの相手は俺だよ」公平が切ったほほの血を手で拭いながらそう言うと渾身のストレートを男の顔面にめり込ませた。マッチョはその反動で尻餅をついて倒れる。

「大丈夫か大輔」俺は公平の手を取り立ち上がろうとする。しかし・・・・。
「公平、うしろ!!!」その声は夕焼けの空にむなしく響いた。マッチョの方の男が放ったアッパーは空を切り、無防備なほど大股に開かれた男のふくらみを容赦なくカチ上げた。競パンから浮き出る形のよい二つの膨らみはぐにゃりと変形し、内股になった公平は口をすぼめながら俺に覆い被さる。
「あぁ・・・あぁ」公平は一発で戦闘不能状態まで追いやられた。

「全くよ。なんつう餓鬼だ。おお痛て。」殴られた側のほほを押さえ、俺たちを睨みつける。
俺はなんとか逃げようと公平のガタイを持ち上げて揺さぶるが、彼はよほど急所攻撃が効いたのか、自力では立てないようだった。
「ところでお前らわかってるんだろうな。やられたら10倍返し。これが俺のポリシーだ。お前もいつまで寝てんだよ、さっさと立て!!」ガリを引き起こし、重なる俺たちを見下ろす。底知れない不安感に俺は襲われた。いったいこれから何されるんだ。

「こんなちっさい競パンなんて履いちゃって。狙って下さいって言ってるようなもんだぜ」マッチョがにやにやと深みのある笑みを浮かべる。
「くそ!!この餓鬼。マジぶっ殺す!!」公平の脇腹はガリに蹴られ、そのままずるりと俺から離れた。
嫌な予感がし、俺は股間に手を伸ばすが、先に到達したのは己を守る手ではなく、非情にも急所を蹴り潰す固いつま先だった。
「ぐぇぇぇぇえぇえっぇ!!!」瞬間、睾丸がはじけ飛ぶような激痛が襲う。たまらなく俺は顔を歪ませ横倒しに悶絶した。

そんな俺をポールに縛り付け、ガリは公平を無理矢理立たせて羽交い締めにした。
「よく見ればお前ら二人、お揃いの競パンじゃねえか。まさかお前ら付き合ってんのか?ぷぷ」その言葉に俺はムッとした。
「ああ?男同士で何が悪いんだ!!てめえらこそ嫌がる女に無理矢理せまって。最低じゃねえか」公平の言葉に俺はなんとも言えない気持ちになる。しかし、その言葉が男たちを挑発する結果になった。
ガリがうしろからさらにキツく締め上げる。本来なら簡単に解けそうな羽交い締めは急所をやられ力を奪われた公平には解くのは困難だった。
「ほう、言うじゃねえか。身動きできねえくせによ。ふてぶてしい金玉してやがるぜ全く。
しゃーないから女の代わりにお前の金玉で遊んでやるよ。」
絶望的な状況下でも公平はマッチョな男に睨みを効かせる。その厳つい顔は金玉を握り込まれると容易く歪んだ。
男の指が蛇のように公平のむっちりとした金玉に絡み付き、太い腕が生み出す握力によって激痛を生む。
「ああぁぁぁぁぁっぁっぁぁっ!!!」
肉の球にゴリッゴリッと親指が押し込まれるたびに、公平は稲妻に打たれたかのように身体を硬直させ、恥も外見もなく絶叫した。
マッチョはそんな彼の反応を楽しむように弛緩と握り込みとを交互に繰り返す。リズミカルなその圧迫は公平を苦悶の底なし沼へと誘った。
「どうした。さっきまでの威勢が消えてるみたいだが」
「アガッ!!ふぅぐ・・・・はぁはぁ・・・・ペッ」公平は血に混じるつばを相手の顔面に吐き付け、精一杯の抵抗を見せる。
「てめえ・・・・・金玉ぶっ潰してやる!!!おい西本!!しっかりこいつ持っとけよ!!股開かせろ!!」
ガリは自分の足と公平の足を重ね合わせ、じりじりと股を開かせた。マッチョの目の前には顔面蒼白で必死に睨みを効かせる公平が、股間をさらけ出して立っている。その競パンの中央には平均サイズ以上はある男のふくらみとそこから垂れる腫れ気味の金玉が窮屈に押し込まれていた。おもむろにマッチョはズボンのポケットからアーミーナイフを取り出し、青い競パンを切り裂いた。縮んで布切れになった競パンを放り捨てると。男の象徴が露になる。競パンは鮮やかに日焼け後を作り、毛むくじゃらの股間にはその逞しい身体どおりの雄の性器がぶら下がっていた。先端部分の亀頭は横に大きく張り、赤紫に変色した二つの睾丸の上に乗っている。
「くそっ、みるな、みるんじゃねえ」
公平にとっては屈辱だろう。今にも泣き出しそうな顔は不安でいっぱいだった。
「へへ、握り潰しが嫌なら蹴り潰してやるよ」そう言うとマッチョは半歩うしろに下がり、足を振り上げた。
「ぐっ・・・!!!ぐあぁぁぁぁ!!!!」
パチンという肉を打つような鈍い音が聞こえ、それと同時にあたりに野獣のような絶叫が轟いた。固いつま先が公平の金玉を巨根もろとも跳ね上げられると、水風船のようにゆさゆさと上下にゆれる。
なんどもなんども蹴り潰される親友の睾丸。生金を打ち据えられる苦痛は公平にしかわからない。俺はただその光景を見守る事しか出来なかった。

次第に公平の声もかすれていき、彼の口角からは新鮮なあぶくが溢れ出す。そのみっともない顔に満足したのかガリに羽交い締めを解くように指示し、ドサッと公平の大きな図体は内向きに倒れ、ケツをこちらに向けた。しかし時折ぴくりと腰を痙攣させる意外は微動だにしなかった。

ヤバい!!!俺は逃げ出そうと足をばたつかせてもがくが、ロープに縛られた手首はびくともしない。そんな俺をの元へ彼奴らはにやけながらゆっくりと近づいて来た。
「へい。兄ちゃんもそこに転がってる彼のようになりたいか。事によっては許してやらんこともないぞ」
「ほんとう・・・・か!?」俺はただ怯えていた。こいつらを刺激するとなにされるか分からない。もしかしたら本当に潰されてしまうかもしれないという不安があった。
「うそだよ、ばーか」ケラケラと下品に笑う男たち、こいつらを殺してやりたいと思う。しかし、俺はただ己の急所を差し出す意外に無かった。抵抗むなしくマッチョに腕を捕まり街灯のポールに股を広げて座らせられる。俺の目の前には腫れぎみの金玉と固い金属のポールとが一直線に並んでいた。俺は今から行われる残虐行為に絶望した。足首を痛いほどに握られ、ポール側に勢いよく引っ張られる。コンクリートに背中がさすれる痛みの比じゃない。強烈な苦痛が俺を襲った。
「がっ!!あっ!!ぐえっ!!おぶっ!!」俺の大切な金玉は金属と骨盤とに挟まれ、醜く形を歪ませる。一息入れる間もなく連続でポールにぶつけられた金玉は脳天まで直撃するような激痛を生んだ。悪寒と吐き気が追い打ちをかけるように苦しめる。初めて味わう内蔵をえぐるその果てしない痛みに、ついに涙をながして許しを乞うた。 「もう、むり、おねがいします。ゆるしてください」しかし相手は悪魔の笑みを浮かべてニタニタと笑う。
「こいつ泣いてるぜ。男のくせに弱えぇなぁ」そう言って俺の足を離すどころか、めいいっぱいの力を込めてうしろへ引っ張った。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ポールを使った股裂きはいつまでも続き俺は気を失った。


気が付けばそこには見慣れない白い天井があった。あたりは静寂に包まれ、水滴の落ちる音が聞こえる。下腹部全体を覆う鈍痛とともに股間に違和感を覚え、ベッドのシーツをめくるとそこには氷袋の下に赤黒く変色、肥大化したむき出しの金玉があった。
「やあ、やっと起きたのか」
入り口の方を見ると白衣を着た若い医師が立っていた。カルテに何か書いた後、彼は俺のそばに寄って椅子に座る。
「ここはどこですか、公平はどこ、いったい俺たちはどうなったんですか」俺は疑問を彼に投げかけるが、医師は落ち着いた口調で話し始めた。
「ここは大学病院の泌尿器科だ。公平君も君とおなじようにここに運び込まれて今別の部屋で安静にしてるよ。

ずいぶんと派手にやられたようだが心配しなくてもいい。君と彼の睾丸は1、2週間安静にしておけば直るよ。しばらくは痛みが残るけどね。」
すると入り口に車いすに乗った男が入って来た。すこし痩せこけてはいるがその顔を見て俺は安心する。
「よう大輔。大丈夫かおまえ」
「公平こそ」
「車いすなんて初めて乗ったぜ。すまんな まだ自力で立てないんだ、タマが痛くてよ」空気を読んだのか医師は黙って出て行った。
「公平、あの後どうなったか知ってるのか」
「ああ、俺たちが気絶している間に警察にしょっぴかれたらしいぜ やつら。それにしてもゴメンな。俺のせいでお前まで巻き込んじまって」
「別にいいって事よ。幸いなことに金玉は潰れてないみたいだから。それよりも、俺水球初めてみるよ。」
「どうした、急に」公平は不思議そうな顔をしていた。
「俺も公平みたいに強くなりたいんだ。うん、決めた、俺水球やる!!やるったらやる!!!」
「まあ、お前がそういうんなら。いいんだろう。だがまあしばらくの間は水球どころかオナニーすらできねえけどな」
「ははは、そうだな」

こうして俺は公平とともに水球を始める事にした。これ以来競パン以外履かなくなった俺たちを人は競パン族と呼んだ。

今でもこの日公平に貰った赤い競パンは大切にしまってある。



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