帰宅途中の谷川純二。
深夜1時まで先輩に無理やり付き合わされて、もうベロンベロン状態のまま夜の路 地裏を千鳥足で歩く。
背後からの影に気づかないまま酔いつぶれ倒れ込んだ。 "バチバチ"彼は首筋にあたるそれが何かを知る前に闇に堕ちた。
「んっ!!!!!」酔いが冷めたのか一気に覚醒する。
だが何も見えない。何処だここは。
真っ暗なせいで周りの状況が読み取れない。
腕を動かそうとする縄のこすれる音がするだけで動かない、どうやら背中側で縛ら
れているようだ。焦りと緊張で冷や汗をかく。
パチン!!そのとき、部屋に明かりが灯り、知らない若い男が入ってきた。
「あれ?もう起きたんだ」
目の前の男はなかなかのイケメンだった。
肉付きの良い身体、褐色の肌、短く刈り上げた髪。
全体的にバランスが良い。
だがそれはどうでもいい。
「ここは何処だ!!一体どういうつもりだ!!」
声を荒立てる。
男は「俺の部屋へようこそ」と言っただけで、そばにあるパソコンをいじりだした。
10畳ほどの部屋、白を貴重としたシンプルなデザインだが、所々に妙な形の機械 が設置されている。
室温は一定に保たれており、暑くも寒くも無い。
それからなんて事のない時間が流れる、時刻を見ると3時半、男が現れたのが2時 前なので、もうかれこれ男は30分以上もパソコンをいじっている。 純二は何度か縄を解けないか試してみたが、相変わらず変化は無い。男に声をかけ ても、短い返事をするだけだ。
しばらくすると男はゆっくりと純二に近づき、しゃがみ込んで話だした。 「あんたは さっき何故連れて来られたか聞いたね。部屋の壁を隅々まで見てみな よ。よくわかるから」
あたりを見渡す。
言われてみれば確かに とこどころ色がおかしい。一見見分けがつきにくいが、目 を凝らすとキラリと光るあるものが見て取れた。
「あれは...ビデオカメラか?」 「そうだよ、よく気がついたな。全部で6台、いろんな所に設置している。」 「何故!!!なんのために!!」 「決まってるじゃ無いか、あんたが悶える姿をいろんな角度から撮影するためだ よ」
純二が「え!?」っと聞き返すと同時に、信じられない衝撃が襲った。
全く予想だにしなかった一撃。腰を付いて座っている純二の股の間にあるもの。そ
こに深々と硬い膝が落とされたのだ。
「うっ!!」 一瞬呼吸が止まる。手を使って押さえる事が出来ず、純二は太ももを動かし、悶え た。
「なに...すんだ......」 「言ったじゃないすか。あんたの金玉をおもちゃにして遊ぶって。」 男は一瞬考えるような素振りを見せる。 「あれ?言ってなかったっけ?」
「おもちゃ...だと?」
男は「そうだよ」と言いながらおもむろに純二のズボンを脱がし始める。
抵抗こそしたものの、軽く股間にパンチされただけで純二は大人しくなってしまっ
た。
「あれれ?すっごいエロい下着履いてるな。それあんたの趣味なの?」男は純二の
黒色のビキニを指差して言った。
「ちっちがう!!」 否定はしたものの、普段からビキニタイプの下着を愛用する純二。 単純に動きやすいからだが、案外 妻の反応もいい。
「金玉がモロ浮き出てんじゃん。それに......もしかして勃起してる?」 「うっ、これは...」
全開ではないにせよ、半勃起状態の竿。
自分でも信じられないといった顔をする純二。
「さっ触るな!!」
竿の部分を触られ、男として感じてしまう。 そんな姿を可愛いと思いつつ、男は純二のWシャツにも手にかけた。 「やっやめろ!!!キンタマ......ふむな...ぐっ!!がはああぁぁぁ!!」 純二の弾力のある金玉を膝で踏みながらボタンを一つずつ外していく。
Wシャツからはみ出た鍛え上げられた上半身を見て「ほおぉぉ」とため息が漏れる。
部屋まで運ぶ時も思ったが、日本人離れした筋肉をまとっている。
まるで重戦車のような威圧感。
顔もさることながら身体まで大好物。
そして大きく育った大胸筋の上にポツンとあるピンク色の乳首。
まさに純二はエロそのものだった。
あっという間にビキニパンツ一枚にされる純二。
そんな純二の最大の弱点。
たわわに実る若い双球を両手で掴む。 一瞬ビクッと身体を震わすが、男がビキニに膨らむ金玉を揉み始めた途端、野太い 悲鳴を上げることとなった。
グニニ...コリコリ
「ぐぇ!!あああっぁぁ...!!ぬうぅぅぅ」 じわじわと脂汗が湧き出し、痛みに耐える為か足をバタバタと動かす。男の弱点を こうも連続で攻められると彼とてたまらない。精一杯身体をくねらせ痛みを紛らわ せようと奮闘した。
しかしそんな純二の姿に興奮を覚えたのか男はいっそう力を込める。 「はっ離せ!!!ぐああぁぁっぁ」 「どうした?辞めて欲しいのか?だが身体はそうは言ってないぞ」 普通なら萎える所だが純二のはそうでは無い。ビキニを突き上げ、最大限に膨張し ている。
「これは...」
この特殊な状況が彼の金玉を性感帯にへと変えたのか。 いや、そうでは無い。もともとゴツい見た目に似合わずM要素がある純二。 あまり人前で話すような事ではないが、夜は妻との金的プレイを楽しんでいた。金 玉を攻められるとどうしようもなく男を感じて興奮してしまうのだ。
男は純二の逞しい太ももの間にある股間のふくらみをまさぐり、まだ若い精の詰 まった睾丸をたぐり寄せた。そして手を滑り込ませて筋肉隆々の力の源であるその 巨峰を親指で押し潰し始める。 ピンポイントで責められる右玉。部屋にこだまする絶叫とゴムボールのようなその 感触を愉しむ男。
男の弱点を攻められた淳二は、ついに白目をむきヨダレを垂らしながら失神してし
まった。
意識を失い壁にもたれかかりピクリともしない巨体。
男が純二の全身を好き勝手にまさぐる中、彼は夢の中を彷徨っていた。
嫌になるほどの深く青い空、飛び交う鳥たち、爽やかな潮風。
だが人の気配はない、誰もいない砂浜にポツリと立っている。
頭がボーとする。
「あれは......女の子?」
見上げるとには赤いランドセルを背負う、小さな女の子とおぼしき人物が堤防の上
に座っていた。
「あ!!待って!!」 立ち上がってこちらをチラリと向くと、向こう側にピョンと飛び降りて何処かに消 えてしまった。
純二はその少女の後を追う。
入り組んだ路地を少女を追いかけ駆け巡る。
体力にも速力にも自身はある、しかし少女はするりと角を曲がり、フワッと消えて しまった。
「純二~ご飯よ~」
ふと気付くとそこは我が家だった。部屋の外で母が呼びかけている。
頭の整理が追いつかない。
ガチャ!! 「どうしたの?返事もしないで。もしかしてオナ......。いややっぱりいいわ。さっ さと下に降りてきなさいよ」
放心状態で席につく。 周りには若かりし頃の母親と父親が不思議そうに自分の顔を覗いてくる。 「どうしたんだ?元気がないぞ。今日はお前の好きなハンバーグなのに...」 どうも食欲が出ない。気は進まないが純二は今までの体験を両親に話始めた。
「え!?お前が大人だって?夢でも見たんじゃないのか?」 「そうよ、しかもお父さんが死ぬなんて縁起でもないわ。こんなに元気じゃな い。」
夢じゃない......夢じゃ...。 今まで散々体験してきた。父が事故で亡くなった時も昨日のように鮮明に覚えてい る。
母が息のしなくなった父のそばで泣きじゃくる姿も...。
両親の肉声、ぬくもり、優しさを肌で感じて泣き出してしまった。 もしこれが夢だったとしてもどうか消えないでくれ。
だが現実は残酷だ。
「おい、起きろ」
ほっぺたが僅かに痛む。
目の前には、あの男がいた。
以前は心を許してしまっている自分がいたが、今は無性に腹だだしい。
あのニヤリとした笑方も癪に障る。
「この縄を解け!!そして俺の親父を返せ!!!」
「はぁ?何言ってんだお前。頭でも打ったか?」
わかっている、この男が両親を殺したわけじゃない。
だがどうしても男を許すことが出来ない。
無理やり監禁しやがって。
妻も家で心配して待っているというのに...。
純二は暴れまくった。
思いっきり大きな叫び声を上げる。
肉に縄が食い込もうが、血で滲もうが関係ない。己の持てる限りの力を使い、縄を引きちぎった。
立ち上がり、恐ろしい血相で睨みつける。
だが男は「すげえ馬鹿力」と呟いただけで別段驚いた様子を見せなかった。
「暴れてもいいけど機器類は壊さないでね」
「てめえ、殺してやる!!」
純二は男の顔面目掛けて殴りかかった。 だが純二の予想に反して恐ろしく軽々と避けられてしまった。手土産まで残して。
「うっ!」 すれ違いざまに叩かれたのだろうか、じんじんと痛む股間。 「てめえ、まだ股間を...」
「言ったじゃん、あんたの金玉 オモチャにするって。
所で あんたのその筋肉って見せかけだけ?」
「黙れ!!」
頭に血がのぼり、何も考えずに再び殴りかかる。 挑発に乗った時点で純二の負けは決まっていた。 冷静に考えれば男など無視して部屋を脱出すればよかったのだが時すでに遅し。 脱出できたとしてもビキニ一丁で出歩くことにはなるが...。
完全に純二は弄ばれていた。 蹴りを入れても懐に潜り込んで純二のビキニの膨らみに硬い拳をぶつける。 「ぐえぇ!!」
後ろから抱き付いて動きを押さえても、死角から勢いを付けて破壊力を増した踵が 己の睾丸を打ち据える。
「っふげ!!?タマが...」
倒れた純二の脚を掴み、大股に開かせた後、全体重を乗せた膝をぶち込む。
「ぐはあああぁぁぁ、くっくそおぉ!!」
フラフラになった純二の背後に周り、ケツの下に実る果実を潰さんとばかりにカチ
上げる。
「ぐ......げ...ぎえええぇぇっぇ」
元々は若妻とのSEXの為にある純二の睾丸だが。 もはや完全にこの男のただの遊び道具に成り果てていた。 蹴り、殴り、掴み、叩き、あらゆる責めによって野球ボールほどの大きさまで腫れ 上がった金玉。
そこを必至に揉みながら純二は呟いた「もう 金玉だけは勘弁してくれ」と。 ひとまわりもふたまわりも小さな男に散々蹴られ、叩かれ、悔し涙を浮かべる。 今まで鍛えてきた筋肉も役に立たない。
だがその言葉が気に入らなかったのか男は無理やり股間を守っている手を剥がし、
ビキニの中に手を入れ、ムズリとその腫れた睾丸を生で掴んだ。
「うおっ!!」 「おいどういうことだ?勘弁してくれって。そう言うがずっと半勃起状態じゃない か。」
「そっそれは...」
「本当はやって欲しいんだろ?自分に正直になれよ」 ギリギリと掴む手の握力を強めていく。 「だっだれが!!!はがぁ!!ぬおぉぉぉぉ!!!」 「おら!!言え!!金玉を鍛えて下さいって」 もう少しで潰れてしまうという所まで力を込める。
「ぎゃぁ きっ!!キンタマ......ぐっ!を鍛えて......くだっうっ!!...さい」
「よく言った」それだけ言うと顔を近づけ純二の唇を奪う。
もはや純二にはそれを拒む力は残って無かった。
視界がぼやけてくる。
不思議と痛みを感じなくなり、心地よい気持ちと共に再びまどろみに落ちていった。
白、白、白。
気が付けば白色で埋めつくされた何もない空間にポツリと座っていた。
純二は瞬時に夢だと気がつく。
いくら周りを見渡しても、そこにあるのは何処までも続く空間だけだった。
!!!!!!
今までそこに存在しなかった少女が唐突に現れた。 白いワンピースを来たその少女。どこか見覚えがあるが思い出せない。 頭が痛い、痛い、痛い、痛い。
目眩もする。 立っていられなくなるほど気分が悪くなりそのまま視界は薄れていった。
視界が消える寸前。少女の声が聞こえた気がした。"戻ってきて"と。
目が覚めるといつも通りの日常、妻がいて、犬のカンちゃんと戯れながら家でのん びりと暮らす。
そうだったらどんなに良いことか。
「たまに意識なくなるな あんた。金玉攻めると失神する奴がいるが、あんたはそ うじゃないらしい」
あの男の顔が嫌でも目に入る。
じんじんと痛む急所のせいで、身体を動かすだけでも辛い。 だが自由に動かせるわけではない。 両手首が鎖で繋がれており、万歳の姿勢のまま動けない。 同じく、両足も肩幅程度に開いた状態でバットに縛られ、そのバットは地面に打ち 付けられていて、上半身はかろうじて動かせるが、下半身は全く動かせない状態 だった。
「良い格好だな」
「何だこれは!!!はっ外せ!!」 男は大きく発達した大胸筋に手をやり固さを確かめながら、嫌らしく生えた脇毛に 鼻を近づけた。
「まったく臭っせえなあ。汗臭い」 「や、やめろ・・・あぁ・・・」胸筋の上にあるピンク色の乳首をラジオのダイヤ ルのように回すと純二の口から上擦った声が聞こえる。
「どうした、びんびんになって亀頭が丸見えだぞ」純二の下半身はその刺激で大き くなり、ビキニから蛇の頭が出ていた。痛々しく膨張した男根を下向きに押さえつ けると彼は痛そうに顔を歪ませる。
「勝手にこんなになって・・・・お仕置きしなきゃな」お仕置きという言葉に淳二 はビクッと反応する。
「さっきあんた言ったよな。金玉鍛えてほしいって」 男は半歩下がると、軽いパンチを腫れ上がった睾丸にぶち込んだ。 「うがぁ!!ぐえっ!!がはっ!!」
ジャブ ストレート アッパー まるでサンドバックのように純二の急所を殴っていく。 打撲気味の竿と一緒にビキニの中でシェイクされる男性器。深々と拳がぶちこまれ る度に人形のように後ろに揺れ、また金玉をやられるべく前に揺れ戻った。
本人の意思とは関係なく内股になって己の急所を守ろうとするがバットが邪魔してそれもかなわない。
男はトドメの一撃を食らわすべく靴を履いて部屋の隅まで下がり、そこから助走を 付けて膝をビキニの膨らみに深々とめり込ませた。
「がっ?! あ、あ" 、金玉・・・俺のキンタマ。おうぅ・・・ぐふっ!!!」 今までで一番キツイ一発。胃液が込み上げ、透明な液体を口から垂らす。 うなだれるようにガクッと首を落とした。それをクイっと上にあげる男。
「おいおい 本番はまだだぞ。頑張れや」
「も"う......やめ...て...」 叫びすぎて声がかすれてしまう。そんな懇願を無視して男は非情な装置を引っ張り 出して来た。
「俺ってさ、学生の頃 野球部に所属してたんだ。ポジションどこだかわかる?」 「......アグっ!!」 「キャッチャーだよキャッチャー。つまりこの装置の意味わかるでしょ?」 純二は怯えきった表情で目の前にあるピッチングマシンを見つめていた。 男がこれを持ってくる時点で己の運命を悟る。 だが、どうやってもそれは避けられそうに無かった。
「お願い......やめて...くれ...」
「しつこいなあ もう。そんなやつにはお仕置きしちゃえ」
今まで10mは離れていたその装置を 何と男は5m地点まで持ってきた。 破壊力はそれ程変わらないが、恐怖心は倍ほど違う。 純二は生まれて初めて男に生まれた事を後悔した。そして男として人生で最後の夜 になる事も悟る。
「さて、今はこのボールと同じサイズの金玉だけど、終わる頃にはどれくらい大き くなるかな?」 純二の目の前でスイッチが押された。機械音と共にゆっくりとボールが発射口へ上 がっていく。
そのボールを信じられないといった顔で見つめる純二に地獄が舞い戻った。 ガゴンッという小気味良い音と共に発射された球。 それは寸分違わず男最大の急所にめり込む。
睾丸を押し潰す事為に全エネルギーを使い果たした球は、床にコロコロと転がる。
そして睾丸でその膨大なエネルギーは、それまた膨大な痛みとなって純二を襲う。
死んだカエルのように痙攣する姿を見て、男はマシンの設定をいじり始めた。 「連続でやると流石にキツイと思うから10分間隔で発射されるようにしたよ。 俺ってやっさしい」 純二は呼吸もままならない状態で男の言葉を聞き、殺したい衝動に狩られる。 だがその刹那、再び激痛が純二の身体を襲った。
「ごふ!!!あぁぁぁぁぁぁ」
全くわけがわからない、マシンが動いた気配は無かった。
しかし下を向くとその答えがあった。
野球のバットの先端が見える。
「あっごめんごめん。言い忘れてた。後ろに自作で作ったマシンの事。それって俺 の最高傑作でさぁ。何とバットを打ち上げるタイミングをランダムにしてるんだ。 一分から長くて20分間隔であんたのタマを打ってくれるよ。」
それだけ言い残し、男は部屋を出て行った。
ただ一人残された純二。
勿論マシンは二台とも動いている。腹からくる鈍痛が止まない。
機械は人間と違って感情を持たないので、余計に怖く感じる。 ただ一人の男を潰す為のみに動く無機質な怪物。 ピッチングマシンの方は身構えることが出来るので、多少は我慢できるが股下にあ る物は違う。 純二からは確認出来ない位置にある為、いつ打たれるかわからない。 不意打ちの金的が一番効くというのは純二自身は嫌というほどわかっていた。
その後10分おきに悶絶した純二。 たまに絶妙なコンビネーションで地獄へ落とされることもあった。連続でやられた り、油断したところで不意打ちを食らったり。
何度も何度も絶叫をあげ、激痛に襲われた純二。
何時間も何時間も心の底から男が帰って来てマシンを止めてくれる事を願ったが一行に帰って来ない。
それどころかマシンの球さえも何故か尽きない。部屋中に役目を終えた球が散乱し
ているというのにだ。
次第に痛み以外の感情を一切失った純二。
もはや彼の脳内には妻の事も男の事も存在しなかった。
「神田さんてすげえっすね、かれこれ8時間もぶっ通しでもぐってるよ」 「まああの人は真性のドSだからな」 研究所の喫煙ルーム、そこで若い2人は噂話をしている。
「それより知ってるか?実験台にされてる奴って自分から望んでここに来たって噂 だぜ」
「えぇ、マジっすか?何でまた」
カップのコーヒーをすすりながら問う。
「何か娘を病気か何かで亡くしたんだって、その傷が癒えぬまま奥さんも自殺した
そうだよ」
「それでヤケクソでここに?」
「いや、何か奥さんの元職場だったらしいよここ。」
「ああなるほど。でも可哀想っすよね 毎日あんな悪夢を見させられて」
「そうか?夢にいる間は夢とわからないからなぁ。現実逃避出来るんじゃね」 「でもほぼ拷問っすよ」 「そうは言っても本人も何故か乗り気らしいぜ、現実世界に戻されて絶望しても次 の日には潜りたがるらしい」
会話から察してここはどうやら他人の夢の中に自分の意識を浸透させてコントロー
ルする研究をする施設のようだ。
「うわっ そんなに金的やられるんが好きなんすか、相当なドMっすね」 2人の会話が止まることは無かった。
この世界に同じような実験があったとして、人間は夢と現実の区別がつくのだろう か。
はたまた自分たちは本当に実在するのだろうか、もしかしたらこの世界は自分が見
ている夢の中かもしれない。
だが一応、純二の幸せを祈っておこう。
TOPへもどる