ラガーマン日誌9 迎える夏


rugby
ここで
いくつかの印象的なラグビー・エピソードを、紹介してみます。

うちの高校は、花園ベスト4の常連だった1980年代当時、伝説的な猛練習で知られていました
(^-^;

はい、ユーミンのノーサイドのモデルになった高校です。

普段は、午後2時から始まった練習がずっと続いたんですが、

そのうち夜になって、月明かりの下で延々とランパスをやりました。気がついたら、
朝日が昇っていました。

当時は1年生、
まだラグビーを始めて数か月の少年でしたから、それは想像を絶する世界でした
(^-^;。

ついて行くだけで精一杯だったですから、
キンタマを、かち上げられたりして悶絶させられましても、
あまりの脳震盪・疲労・倦怠感で、ところどころ覚えていない部分もあるくらいでした。

たぶん、セービングをした時や、
金的の激痛で、のたうち回った時なんかに、
一瞬だけ寝たりしていたんだと思うんですが‥
(^-^;
貴重な休憩時間でした(笑)

でも、すぐに立ち上がらせられて、走り、ぶつかっていました。

それでも

「朝日が昇った」

様子は、いまも鮮明に焼きついています。

また、夏、合宿中、最大のターゲットにしていたライバル校との練習試合に敗れますと、
自分たちは、
約25キロ離れた上田駅まで走って往復、行って来いでした(+_+)

ちなみに菅平と上田の標高差はおよそ800メートル。

車で走っても1時間近くかかる山道でした。

小銭もないんで、飲み物も買えません!

途中、くたばって、大の字になりますと、
先輩OBから
金玉へのニードロップか、金的ストンピング。

疲れから、動けないですから、二人がかりですと、全く抵抗できません。
(^-^;

あちこちで、うちの高校のラグジャーをきた連中が、芋虫となって転がって吐いてました。

そんな自分を、汗だくで、走り過ぎようとした大学生ラグビー選手が、
金活をやってくれました。

見ず知らずの、汚いガキの、
下腹と、睾丸の下を
強く
ぶっとい指で、押し続けてくれました。

かなり
激痛と鈍痛が、柔いだものでした。

『おう、少しは楽になったか、坊主。こんなことぐらいで、ラグビー辞めんなや!』

そんな時代だったから、もちろん監督も、並の覚悟では務まらなかったようでした。

2度の全国優勝を成し遂げていたうちの高校監督は、
同宿の他校が、
グラウンドを譲ってくれるよう、

合宿中は生徒の俺んらだけ、旅館に宿泊させ、
自分は山間のグラウンドの横にテントを張って生活してみえました。

(名前は売れていても、所詮、超田舎高校でしたから…)

自分が、大学生となり、
合宿で、高校時代の監督さんとお会いしました。

「ちょうどあの辺やな、テントは」。

ご本人が指差した先には、
うっそうと木々が生い茂る森がありました。

「いろんなお客さんがきたんやで。狸や鹿、イタチに蛇…。でも他高校・大学の指導者も、よくきてくれた。俺が淹れたコーヒーを飲みながら延々、ラグビー談義をしてたんだ。さあ、一杯飲んでけ!」。

おっす!
と、立って足開いて、両腕、軽くゴブシを握り、腰の横に広げ、頭を下げますのが、基本挨拶です。

と‥いきなり、キンタマをグウで、ガツーン!
と真下から、かちあげ。

予測外の不意打ちだったんで
まともに、はいっちゃいまして、大悶絶(-_-;)

ぐっ、あぁ~
くぐもった雄叫びあげながら
のたうち回って、頭を地面につけ、汗流してる自分を、見つめながら

M大じゃあ、軽いくらいやろ(笑)………

(ふ・ふざけるな…でも、言えません)

満点の星空の下で、考案された斬新な戦術が、
日本高校ラグビー界をリードした時代を、
たしかに築かれた監督でした。

ワールドカップで、4位に躍進したウエールズは、
大会直前に自国から遠く離れたポーランドの施設でキャンプを張りました。

基本的な設備しか備えられてないその合宿所で、
毎朝5時からフィットネスを中心とした反復練習に取り組み、選手は限界まで追い込まれたといいます。

結果的に

「体力だけな、らどこにも負けない」

という自信を得たウエールズは、

前へ!前へ!、
進む圧巻のランニングラグビーで観客を魅了し、
世界の頂点までわずかのところまで迫りました。

以前の菅平での大学の全裸ラグビーみたいな
衝撃的な話は聞かなくなったのですが、
いまも、夏合宿における過酷な鍛錬は、あちこちに健在です。

肉離れ、打撲、金的悶絶などは、当事者にすればそれこそ逃げ出したくなる瞬間もありました。

逃げたしたくなる時や
男、辞めたくなる時も……(-_-;)……

けれど、常識的なやり方ばかりでは、常識の範囲内でしか結果は残せないのです。

普通のチームが、普通の練習をして普通に戦えば、実力上位のチームには

普通に負ける。

あっと驚くような飛躍、
世紀の大勝利を収めるためには、
時に常軌を逸した取り組みも必要なのだと、
高校のとき、
初めて身を持って経験させていただきました。

栄光をつかんだ先達は、
みな、そうやって彼らの実力差を覆してきたのだと思いました。

9月になり、
ラグビーシーズン開幕しますと、
それぞれが、味わっった試練の真価を 問われる時がやって来くるんです。

無論、
厳しい練習を重ねたからといって、
必ずしも望む成果が得られたわけではありませんでした。

けれど苦しかった夏を
仲間たちと、乗り越えた時、

いざグラウンドに立てば、
ひと回りもふた回りも強くなった自分に気づきました。

金玉、ぶん殴られ
朝まで、
寝れなかった経験も、
鉄の上下の理不尽さも、
仲間意識の強固さを誇る言葉でしかありませんでした。

ワンパターンの言葉すが、
今の現役選手に送りたい言葉としまして

流した汗と涙と仲間は、決して裏切らない!
です。

どうかひとりでも、
多くの選手、
ひとつでも多くのチームが、

これから、

迎える夏 

磨き上げて、力を存分に発揮できるよう、
また、悔いを残さず戦い抜けますよう願ってます。

背筋のふるえるような瞬間に立ち会えることを楽しみにして、

今年もグラウンドへ通います。

みなさん 一緒に 見に行きませんか!


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